獣医薬の処方箋販売の裏に隠された数学:2つのチャネルの物語
ペット用処方薬をクリニックで販売する場合とクリニックのオンライン ストアで販売する場合の利益率は実際どのくらいでしょうか?
数字を計算してみましょう。カルプロフェンの30日分が$50(卸値$30)で販売されており、40%という健全な利益率を提供しているように見えます。しかし、VHMAのベンチマークデータは、現実は全く異なることを示しています。クリニックでの調剤には、人件費(処方箋1枚あたり$5~$10)、在庫維持費(年間20~30%)、クレジットカード手数料(平均3.5%)がかかります。VHMAが報告する、廃棄による年間5~10%の在庫損失と、2~5%の在庫損失を考慮すると、40%という利益率の幻想は、約14.5%にまで薄れてしまいます。
Covetrus、Vetsource、Blue Rabbitといったプラットフォームを介した動物病院所有のオンラインストアは、実在庫コストの軽減と人件費の削減に貢献する一方で、プラットフォーム利用料、マーケティング費用、そして価格競争によるプレッシャーも生み出します。AVMA経済レポートは、自動化と効率性の向上により、利益率を維持しながら、スタッフの時間をより価値の高いサービスに充てることができると示唆しています。
また、2024年ブラッケ・ペット処方箋宅配調査では、「ペットオーナーの需要」が動物病院がオンラインストアを持つ主な理由であることが明らかになり、ペットオーナーの約80%が宅配が処方箋の遵守に役立つと回答しています。今日、人々はスマートフォンで数回クリックするだけであらゆるものを購入し、自宅まで配達してもらえることを期待しています。
賢明な医療機関は、維持療法薬についてはオンラインプラットフォームを活用しつつ、急性期のニーズに対応するために院内在庫を維持するというハイブリッド戦略を採用し、診療所全体の収益性を最大化しています。AAHAガイドラインによると、このアプローチは在庫投資を最適化しながら顧客サービスを向上させるとされています。
リチャード・ヘイワース